orがどこまでかかるか

また銀行の話。住宅ローンがある人はゴールドクレジットカードの会費が無料になるということなので、カードを作ったのだが、本当に会費がかからないのかどうか行員に確認すると、人によって言うことが違うのだ。

Webでも紙のブローシャーでも手数料の規定は次のように定義されている。

$40 every six months (waived if you have an outstanding home loan balance or deposits of $150,000 or more on the fee assessment date).

6か月ごとに40ドル。(基準日に15万ドル以上の預金残高または住宅ローン残高のあるお客様は免除)

悪文の雰囲気をなるべく活かした訳をつけてみた。これは悪文である。

悪文というのは

太郎は笑いながら逃げる妹を追いかけた。

みたいなやつだ。(笑っているのが太郎なのか妹なのかわからない。)

これも

1

(an outstanding home loan balance)
or
(deposits of $150,000 or more)
(住宅ローン残高)
または
(15万ドル以上の預金残高)

なのか

2

(an outstanding home loan balance) or (deposits)
of $150,000 or more
15万ドル以上の
(住宅ローン残高)または(預金残高)

なのかわからない。つまり住宅ローン残高が15万ドル未満になったときに会費が免除になるのかならないのかがわからないのだ。

銀行の人に聞いても相手によって言うことが違う。日本から来たばかりだと驚くのだが、NZではよくあることだ。

この件で2回電話したが、最初の人は「住宅ローン残高が15万ドル未満だと会費をいただきます」と少し自信なげに言った。後日「いつ会費がかかりますか」と聞いたところ、このときの人は「住宅ローン残高がある人は残高に関係なく会費は免除です。15万ドルは預金残高についてです。」と自信たっぷりに断言した。

Webサイトの質問フォームから質問すると、最初は質問の趣旨を無視して上の説明をそのままコピペしてきた。2回目は1週間くらいしてから「15万ドルは預金残高かローン残高の両方にかかります」と回答が来た。

インターネットバンキングにログインした中にあるセキュアメールで問い合わせても、15万ドル未満の住宅ローン残高だと免除にならないとの回答であった。

職場の人にどう思うか聞いてみたところ、一読して直感的には、2のように解釈する人が多いようだ。しかし上のように括弧を付けて見せると、たしかに1のような解釈も可能だと言ってくれる。

今のところどちらかというと、1の方が分が悪い。問題は課金のプログラムを書いた人が、これと同じBRD(仕様書)を見たとしたら、どちらに解釈してコードを書いたかだろう。

書いた人の意図を斟酌するとぼくは1だと思う。そうでなければa home loan balance にoutstanding(未払いの負債、貸付残高)という修飾語が付いている意味がわからない。それに、銀行の利益に貢献する客に会費を免除しているとしたら、15万ドルの預金残高があるお客と、15万ドルの住宅ローン残高があるお客が同じであるはずがない。住宅ローンの残高の方が預金残高よりもハードルが低くなければならない。

ぼくがプログラマだったら、後でテスターに違うとか言われたくないので、箇条書きにしてBRDを書き直してください、とBAに言いたい。