仕事を探す(その4 インターネットの求人広告)

前回までの3回で、就職活動に必要なビザを取る方法を説明した。

それでは、働けるビザが手に入ったとして、いよいよ仕事探しだ。

まずインターネットで求人情報を検索しよう。代表的な求人サイトにはseekとTrademeがある。それ以外にもあるが、IT関連ではこの二つが圧倒的に掲載件数が多い。

http://seek.co.nz/
http://www.trademe.co.nz/Trade-me-jobs/IT-jobs.htm

そこでカテゴリを選ぶのだが、ここで注意したいのは、日本に多い「SE(システムエンジニア)」という職種は英語圏にはないということだ。発注側の要望を聞いて仕様書を作ったりする仕事はBusiness Analyst(BA)だし、顧客やBAと打ち合わせをしながらコードを実際に書く仕事はAnalyst Programmerである。

次に気づくのはこれらのサイトの求人広告のほとんどは、採用企業が出しているものではない。ということだ。90%以上は採用企業の代理として求人活動を引き受けるジョブエージェントが出しているもので、実際の採用企業がどこなのかはほとんどの場合分からない。違うエージェントが同一ではないかと思われる求人案件を重複して掲載しているものある。ITエンジニアのようなプロフェッショナルを採用するのに、企業は自社で面倒な採用活動はせず、プロであるジョブエージェントに外注するのである。

求人広告にはジョブエージェントのロゴが出ているから、これらのサイトを見ているうちに主なジョブエージェントの名前は分かる。それらの企業のWebサイトにも自社が扱っている情報が載っていることもあるが、重複するものも多い。

インターネットの求人広告は日本の不動産と似ている。掲載の案件に問い合わせすると、「まずCV(履歴書)を出して」とか「一度面接をしましょう」とか言われて、結局「インターネットに出ていた案件は、もう決まってしまった(またはあなたに合わない)ので、別にあなたに合ったのが出てきたら連絡しましょう」とか言われるのである。つまり「釣り広告」じゃないかと思うことがある。

もちろんインターネットに広告を掲載するには1件いくらでお金がかかるし、コンペにも手の内をさらすことになるだろうから、エージェントも手持ちの案件を全て載せるわけではない。一般募集しなくても手持ちの駒で満たせるのは広告など出さない。広告を出すのは、なかなか見つからない塩漬け案件なのかもしれない。このあたりも日本の不動産事情に似ているだろう。

そこで「釣り」と分かっていても、とにかくジョブエージェントの懐に飛び込んで、進んで彼らの「持ち駒」になったほうが良い。むしろインターネットに掲載されていない求人を紹介してもらえる可能性がある。いくつのジョブエージェントを掛け持ちしても構わない。

それでは、インターネットの求人広告に応募したら、その後どうなるのか。

次回はぼくの経験からお話しよう。