有利な銀行口座は

今回は、掲示板やSNSで定番のこの有名な質問について考察します。

【ご質問】
どこの銀行がお勧めですか。

【お答え】
各銀行ともさまざまな条件の口座がありますので、インターネットなどでよく説明を読んで、自分にあった口座のある銀行を選びましょう。(超無難)

運用目的でなく生活資金を預けるのであれば、ATMが充実している大手行の中から選ぶことになるでしょう。全国ネットでATMが設置されている銀行がNZには6つもあります。
BNZ(www.bnz.co.nz)
ANZ(www.anz.co.nz)
ASB(www.asb.co.nz)
Westpac(www.westpac.co.nz)
National bank(www.nationalbank.co.nz)
Kiwibank(www.kiwibank.co.nz)
最後のKiwibankはNZpost(郵便局)が最近始めた100%NZ資本の銀行で、他の外資系大手行とはちょっと違います。

まずNZの(というよりおそらく欧米一般の)銀行の次のルールを覚えておかなければなりません。

1)口座の種類は様々な名前で大変多くの種類があるが、当座(cheque)、貯蓄(saving)、定期の3種類に分けられる。
2)当座は利子が付かないか、きわめて低い(1%程度)。
3)当座は口座維持手数料がかかるが、一定の残高を常にキープしていれば免除のものもある。
4)貯蓄預金は引き出せる回数に制限があり(通常月1回まで)、それを超えると手数料がかかるか、利率が下がる。
5)金利は残高によって異なる。

定期預金は日本と同じなので、特筆すべきことはないのですが、現在のNZの金利水準は日本と比べると非常に高く、数千ドル以上の残高があれば、年利7%以上が普通です。

日本ではもう長らく銀行に利子が付くということを忘れかけていましたが、NZの金利7%というのは非常に大きいので、無駄に金利がつかない口座に預けていては、その損は馬鹿になりません。
従って、まとまったお金は貯蓄預金や定期預金にして、その月に使う分だけ、インターネットバンキングなどで、小出しに当座預金に移すのが賢明ということになります。

さて、ルールの3)を思い出してください。
3)当座は口座維持手数料がかかるが、一定の残高を常にキープしていれば免除。

上記6行のうちいくつかを調べてみたところ、口座手数料は月3ドルから12ドルとまちまちです。また、無料のものもありますが、その場合は、ATMやEFTPOSなどの取引の度に少額の手数料がかかります。

一定の残高もまちまちですが、2500ドルから5000ドルなどとなっています。

さて、ここで問題です。次の二つの口座はどちらが有利でしょう。

1)月5ドルの定額を支払うと、ATM、EFTPOS利用が無制限に無料になる当座預金口座
2)常に2500ドルの残高があれば、月の口座維持手数料もATM、EFTPOS利用料が全て無料になる当座預金口座

私も含めて2)を好む日本人が多いと思いますが、正解は1)です。

2500ドルの資金を金利がつかない口座に預けるということは、同じ資金を年利7%の定期預金に預けたときの金利14.6ドル/月を損していることになります。実質的にこれが銀行の儲け、つまり手数料を払っているのと同じことと言えます。

この場合は、2500ドルを定期預金に預けて、受け取った金利(33%課税されても手取り9.8ドル)から5ドルの手数料を支払った方が得ということになります。


ところで画像は上が定期預金の金利、下が住宅ローンの金利。これは宣伝ですから、実際の条件はいろいろあるとはいえ、その差はなんと0.3%!金利が極めて低いマネーがだぶだぶに余っているどこかの経済大国から資金が流入しているおかげでしょう。