Joint Accountにしてみました

ニュージーランドを含む欧米社会で銀行口座を開設するときには、日本では一般的でない共同口座(Joint Account)という方法があります。
夫婦などの共有名義の口座にするということで、二名のどちらかまたは両方のサインで取り引きができるものです。
これは夫婦の共有財産の管理のためという目的もありますが、何らかの事情で本人のサインができなくなってしまったときに(死亡以外にも怪我とか)、都合がよいというメリットがあります。日本では印鑑さえあれば、本人以外の家族が取り引きすることも黙認されていたので(最近は厳しくなってダメなことが多いですが)あまり必要性がなかったのでしょう。
さらに日本では手数料なしでいくらでも口座を作れるので、家族一人一人の名義の口座を作っても預金者の負担はないのですが、欧米では一般に、まとまった金額を低金利で預けるか、口座管理手数料を払わなければならないので、手数料の節約という意味でも夫婦の共同口座は役に立ちます。

とは言っても銀行口座を作るにはIDと住所を証明できるものが必要なので、移住当初は二人分をそろえるのは面倒で、一人分の口座しか作っておらず、日本では完全に分離されていた二人の貯金を一緒くたに入れていました。

とくにいままではそれでも不都合はなかったのですが、妻宛の小切手を保険会社から受け取ったのを機に、共同名義の口座を作ることにしました。原則として本人名義の銀行口座がないと小切手を換金できないからです。また、何でも現金でなくEFTPOSカードで買うのが一般的なこの国では、妻も自分のEFTPOSカードがあった方が便利であろうということもあります。

普通の銀行では現金や小切手の出納のみをやるテラー以外にローカウンターに座っているバンカーがいるので、口座に関することはバンカーに声を掛ければよいのですが、郵便局が窓口になっているKiwibankでは専任のバンカーは窓口にいません。コスト削減のため、なるべく電話やインターネットで用事を済ませてほしいというスタンスなのでしょう。口座やローンに関するアポイントがあるときだけ、銀行業務の分かるスタッフが郵便局のカウンタを離れて、個室に通してくれるのです。

窓口では知識の少ない担当者が、人によって違うことを言うことがよくあるので、念のためあらかじめインターネットで質問をしておきました。共同名義口座にするにはどうすればよいか聞いたところ、既にある口座を共同名義にすることはできないので、二人分の身分証明を用意して窓口に行って新しい口座を作りなさいという回答でした。

しかし、二人で窓口に出向いたところ、別の口座を開くのか、既にある口座に名義人を追加するのかと聞かれたので、迷わずに後者を答えました。手数料の節約が目的なので、できるのならば別に口座を開くつもりはありません。

住所の証明とパスポートを用意してあったので、てきぱきと手続きが済み、普通預金と定期預金のすべての名義をTから T & Y に変更してもらうことができました。これで妻宛の小切手も入金でき、数日でカードも送られることになりました。

インターネットの問い合わせ担当の本社スタッフもいい加減だなあということでこの日は済んだのですが、後日別の問題が発生します。(つづく)