トランス・タスマン路線運休は経済的理由?

6月中旬にチリの火山噴火による火山灰の影響でオーストラリア・ニュージーランドの航空路線は大幅の運休を余儀なくされた。オーストラリアとニュージーランドを結ぶ路線のことをトランス・タスマン・フライトと言うが、おかげでタスマン海の両岸で足止めを食った人がたくさん出た。ぼくらもこのときメルボルンにいて、予約していた日曜日のフライトがキャンセルになり、やっとカンタス航空のトランス・タスマン便が飛んだのは金曜日だった。
ところが木曜日に空港に行くとカンタス航空のトランス・タスマン便は運休なのに、ニュージーランド航空は運行していた。

カンタスのカウンターで交渉したが当日のニュージーランド航空は満席とのことで、翌日のニュージーランド航空の席を押さえてもらったが、結局翌日のカンタスが飛んだのでニュージーランド航空には振り替えずに済んだ。

カンタスの営業は、足止めされている客にホテルは簡単にとってくれるが、他社振替は渋る。
「エアー・ニュージーランドは低いところを飛ぶんですが。」
「それでなんの不具合が?」
などという会話をした。低いところを飛ぶと燃料は余分にかかるかもしれないが、客には何の不自由もあるまい。せいぜい少し揺れるかもしれないくらいだろうか。

その後、火山灰が地球を一周してまたトランス・タスマン便が運休になったが、全面運休したのはカンタス航空とその子会社のジェットスター航空でニュージーランド航空の影響は少なかったようだ。

今は3週目の火山灰が来ているが、また運休するのはオーストラリアの航空会社で、ニュージーランド航空は比較的飛んでいる。

そこで、飛行機が飛ばないのはAsh(灰)じゃなくてCashのせいではないか、と指摘する専門家が現れた。

http://www.stuff.co.nz/business/industries/5199168/Aircraft-grounded-for-cash-not-ash-analyst

いわく、カンタスは業績が悪いから余計な費用をかけないのではないか。エアー・ニュージーランドも業績は悪いが、国内線で儲かっているので、燃料代が1割余分にかかっても火山灰を避けて低いところを飛んだのではないか。難しい決断ではあるが、結果として短期的には大きくシェアを取ったし、顧客の評価も得られたのではないか、とのこと。

ジェットスターはあくまで運休は安全確保のためとしている。ジェット機は少しくらいの灰の中ならば安全に飛行できるが、濃度が高い灰の中を飛行するとエンジンにダメージを与える可能性があるとこの記事は結んでいる。