ブローカーも使いよう(住宅ローン その2)

前回から読む。

1週間以内にローンの審査が通らなければキャンセルという条件の購入申込書にサインしてから、移住以来全財産を預けてあるメインバンクにローンを断られるまで4日を費やしてしまった。その間、他の銀行にも聞いてみたが、コントラクターで4か月しか働いていない人には冷たかった。

審査の結果却下ですという連絡をしてきたこの担当者に、「モーゲージ・ブローカーを紹介しましょうか」と言われたので、よくわからないままお願いしますと言った。

大手の銀行員が紹介するのだから、いかがわしい人ではないと信じたい*1が、「モーゲージ・ブローカー」訳せば金融紹介業とは何やらアヤシイ響きのある職業ではないか。登記をお願いしているソリシター(司法書士)に聞いたところ、別にアヤシイ職業ではなく、銀行等に見込み客を紹介して銀行から手数料を稼ぐビジネスらしい。

すぐにこのブローカーから連絡があり、その日の夕方にすぐ会うことにした。会ってみると、ブローカーという言葉の響きとうらはらに、立派なビルにオフィスがあり、身なりもきちんとした紳士だった。

で彼が言うには、ローンをお探しのお客様に、条件に応じて適切な金融機関を探したり、金利も交渉して優遇金利にしてもらったりするのが仕事ですと。ブローカーの手数料は銀行からいただくのでお客様には全く負担はありません、と言うのである。

彼に会わなかったら家を買うのはあきらめていたと思う。結局彼が翌日の昼前までに、黄色いロゴのAという大手銀行に話をつけて、転職したばかりのコントラクターであることも承知で、ローンの承認を取り付けてくれたのである。しかも最初の2年は公表されている金利よりも0.25%低い優遇金利という条件付きである。

銀行の担当者がサインをした、これこれの条件のローンを承認しますというレターのスキャンがメールで届いたので、急いでソリシターに転送。入れ違いで、ローンの審査はどうなりましたかと不動産屋から電話がかかってきた。この日が1週間の締め切り日だったのだ。

この不動産屋は良心的で、ローンの審査が通って購入が確定してから5%の前金を取りに来たが、契約書上では、キャンセルの時には前金は返ってこないことになっていた。

この後のローンや引き渡し関係は、売り手と買い手のソリシターと銀行が勝手にやってくれる。前金を差し引いた自己資金はソリシターの口座に振り込んでおく。「settlement day」といわれる引渡日に、銀行からお金が動き、ソリシターがOKを出したら、不動産屋から鍵が受け取れるというわけだ。

*1:しかし職業倫理上はやはりこのような行為(却下された見込み客を知り合いのブローカーに紹介する)はやってはいけないことのようだ。