銀行は個人事業主には金を貸さない?(住宅ローン その1)

いま住んでいる家を買ったのは2008年12月のこと。ウェリントンに仕事が決まってオークランドから越してきたのが8月だったが、子供ができたことがわかったのを機に、出産前に同じエリア内で広いところに引っ越そうとして家を探していたのだ。

まずは気に入った家を見つけて購入申込の書類にサインをした。1週間以内にローンの審査が通らないときはキャンセルという条件だ。これはひな形の契約書に初めからそう書いてあったので、一般的な条件のようだ。

不動産屋がローンを紹介するわけではない*1。物件を決める前にあらかじめ銀行から事前承認をもらっておくという方法もあるが、ぼくらはそれはやっていなかった。いくつか問い合わせはしてあったが、返事がなかなか来ないのでほったらかしているうちに、欲しい物件に巡り会ってしまったのだ。

1週間以内に銀行にローンの審査を通してもらうというのは、ぼくの日本の常識ではとても短い。とにかく急いで動くしかない。

まずは移住以来全財産を預けてあるメインバンクにローンを申し込んだ。インターネットでは要領を得ないことがわかっていたので*2、窓口でローン担当者のアポを取ってもらい、翌日に担当者にローンの申込書を提出した。収入を証明する書類として、給料(コントラクターなので給料ではなく売上)の3か月分の明細を提出した。

この担当者は調子よく、口頭で大丈夫ですよと太鼓判を押してくれたが、彼は次の日から休暇で、別の担当が引き継ぐと言われて、いやな予感がした。

案の定、その別の担当から次の日に電話がかかってきて、Self-employed(自営業)の人は、2年分の決算書類を出してくださいと来た。

ぼくは今の職場に来る前は、エスニックのコミュニティの中で働いていたし、自営業なのをいいことに経費をたくさん申告していたので、前年の所得額はとても低かった。しかし、ここ3か月の入金を見てもらえればわかるように、これからは十分にローンを返済できる収入がありますと説明した。

ここで前年度の所得が低いからだめとすぐ言ってくれればよかったのだが、貯金が多いので考慮できるかもと言われて、さらに2日無駄にしてしまった。

決算書類といっても、会計士を雇っているわけではないので、自作のものしかない。それを出したところ、IRD(税務署)から納税証明をもらって来いとのこと。IRDに電話すると3週間かかるといわれたところを、今すぐ出してくれないとローンがだめになってしまうのですと主張して、特別にすぐに発行してもらった。でもって審査の結果は「却下」。

長くなったので続きは次回

*1:する人もいるかもしれないが、ぼくらの周りでは聞いたことがない。

*2:2008年当時