仕事を探す(その8 面接いろいろ)

エージェントの面接はどこも同じようなものなのだけれど、採用企業の面接はそれはもう千差万別だ。以下ぼくの経験から。

テレビ会議システム

オークランドに住んでいながらウェリントンの求人に応募したので、同じ会社のオークランドオフィスに呼ばれ、そこの会議室からVideo Conference(テレビ会議システム)で現場のマネージャーとミーティングした。

最初に「天気はどうですか」とか聞いて場を和ませたつもりだったけれど、初めての面接で、結構緊張した。

相手にも伝わっていたようで、後で「ずいぶん緊張していたようだと言っていましたよ」とアレンジしてくれたエージェントに言われた。

適性検査

面接とは違うけれど、Video Conferenceで面接を受けた1週間くらい後に、もう一度同じところに行って適性検査(aptitude test)を受けさせてもらった。小さい部屋にこもって、お借りしたPCで黙々と問題を解く。まあ知能検査だ。じっくり考えるようなものではなく、短い時間に小さな問題をすばやく処理しなければならない。いろいろな科目があるようだが、このとき受けたのは、

Verbal Reasoning test

架空のマニュアルのような文章を読んで、内容があてはまる選択肢を選ぶ。要は英語の読解力テスト。IELTSよりもずっと難しい。知らない単語が多くて、ほとんど適当。これは全然できなかったと思う。

Diagrammatic Reasoning test

規則性を読んで図のあいているところに数字を入れるような問題。最初は練習でやさしいが、だんだん難しくなってきてこれも時間内に終わらなかった。

Syntax Checking test

架空のコンピュータ言語のシンタックス(;で終わらなければならないとか)が提示され、あっていない選択肢を選ぶというもの。

SHL(www.shl.com)という会社が提供しているもので、このWebサイトでトライアルもできる。興味がある人は見てみるといいと思うよ。

ちなみにぼくはこの適性検査の後に不採用の連絡をもらった。

突然ペーパーテスト

中規模の開発会社だったけれど、広い会議室に通されて、ペーパーテスト。選択式と記述。もろに応募している開発プラットフォームの知識を問う問題。記述式はケーススタディで、あなたならどういう方法を選びますか的な問題。

15分くらい時間が与えられ、終わった頃に、開発のメンバーがぞろぞろと3人くらい出てきて、それを皆で見ながら、「どうしてこれを選んだの」とか説明を求められた。

実はほとんどできなかったので、気まずかった。翌週に不採用の連絡をもらった。

社長とカフェで

珍しく直接求人広告を出している会社に応募して、型どおりの「Unfortunately...」のメールをもらっていた企業だったが、懇意になったエージェントにその話をしたら、「そんなはずはない」と、その場で社長に電話して、その日の午後にアポを取ってくれた。

訪ねていくと、フォーマルな面接ではなく、近くのカフェでコーヒーをごちそうになりながら、ざっくばらんにお互いの話をするような形だった。

ここは独立したばかりで5人くらいしかエンジニアがいない会社とのことだったが、それだけに社長さんは熱い人で、ぜひ来てほしいという熱意が伝わってきた。

カフェ文化の街、ウェリントンだけかもしれないけれど、カフェで仕事のミーティングというのはよくある。面接らしい話をしているのも何回か見かけたこともある。

結局ご縁がなくてこの会社には行かなかったが、このときのカフェの前を通るたびに、あのときの「面接」を思い出す。

いきなり日本語であいさつされる

面接の相手にはいろいろなケースがあるが、マネージャー(権限がある人)と現場のチームリーダー(採用されたら一緒に仕事をする人)が出てくることが多い。

ニュージーランドには学校でちょっと日本語を習った人が多い。中学・高校の外国語科目の選択で「日本語」を選べる学校が多いのだ。だから「コンニチハ」「サヨナラ」なんかはよく知られている。もちろん学校で習ったくらいでは、ほとんどの人はものにならないのは、日本における英語と同じ。いや、それ以下だ。でも中には日本大好きで、日本にワーキングホリデーに行っていましたというような人もいる。

エージェントに連れられて行った先で、エレベータを降りたとたん、そこにいた長身の男に
「Wellingtonニ、ヨウコソ」
と言われた。

この男が今のチームリーダーだ。ちなみに仕事で日本語は全然使っていない。