トランスファーホテルへの道

これも前の記事で書いたように、オークランド発のエバー航空は夜10時に台北に着きますので、その日のうちに乗り継げる日本行きの便はありません。必ず台北で1泊となります。そこが実勢価格の安い理由の一つかとも思いますが、宿泊代を払っても他社よりも安いので、よほど旅行日数が限られていなければ悪くない選択肢です。空港ターミナルビルの中にもエバー航空直営の宿泊施設があるのですが、今回は空港の外、桃園市内のホテルを航空会社経由で取ってもらいました。そのため、台湾の屋台やコンビニなど、アジアの街角気分をわずかながら味わうこともできます。

飛行機を降りてブリッジを渡ったところに、航空会社の職員が机を出して、乗り継ぎ客のためにあらかじめ用意してある搭乗券やホテルのバウチャーなどを一組ずつ渡してくれます。ホテルを取っていない客のために、仮眠用の待合室も確保されているようです。
職員にホテルを取ってある旨を告げると、なぜか用意してあった搭乗券を破棄し、ホテルのバウチャーと服に貼るシールを渡してくれました。台北では出国審査の際に、搭乗券にスタンプを押す関係か、制限エリアの外で発行される搭乗券と、制限エリアの中で発行される搭乗券は違うのです。ですので、あらためて明朝、外のチェックインカウンターで搭乗券を出してもらわなければなりません。

入国審査を通過し、荷物を受け取ることはなく、到着ロビーに出ます。渡してくれた見取り図のとおりに団体バスの待合所へ行きますが、深夜10時過ぎという時間も時間のため、誰もいません。ときどきとおりかかる運転手らしい人に、これ見よがしにもらったシールを見せているうちに、ようやく客を探している風の運転手についてくるように身振りで案内されました。空港職員と違い、一般のドライバーなので英語ができず、我々のようなガイジンと話ができません。行き先を表していると思われるシールを服に貼っておくというのはなかなか合理的なアイデアです。人の数が少なく、知らない人でも気軽に話をするNZではこのようなドライなシステムを採用せず、口頭のコミュニケーション(もちろん英語)でお互いを探せばそれで済むいう、ある意味単純でヒューマンな方法を前提とすることが一般的であるように思います。

大型ハイデッカーのバスはがらがらですが、第2ターミナルを出た後、第1ターミナルで若干のお客や便乗のスタッフなどを乗せ、高速道路で市内へと向かいました。目指すは桃園假日飯店(Taoyuan Holidayhotel )。成田では郊外の空港道路の途中に空港ホテルがたくさんありますが、ここは高速を降りてからだいぶ市街地を走ったところにある、まるっきり桃園市の市街地の中です。周辺は工場やマンション。通り沿いには果てしなく一般の商店が立ち並ぶ、普通の台湾の街の中にあるちょっと大きなビジネスホテルといった感じです。

値段(約8000円/室)の割になかなか部屋も広く快適です。禁煙室のリクエストをしていたのに、部屋に灰皿があったのはイマイチですが、まあ特にニオイを感じなかったのでよしとしましょう。

すでに深夜11過ぎにもかかわらず、ホテルの向かいには焼き肉屋がまだ営業していて、外にまで机を出して、地元の人で繁盛しています。なかなか魅力的でしたが、すでに機内食で腹を満たされていたのでパス。すぐ近くのセブンイレブンで、ローカルな菓子やビールなどを購入。部屋で日本そっくりの台湾のテレビ番組を見ているうちに、長旅の疲れと時差もあり、就寝。

そうそう。台湾のドルがほしいときは、ホテルのロビーにも国際カードが使えるATMがありますので、安心です。

翌日は5時半にフロント手配のモーニングコールが鳴り、荷物をまとめてフロントでチェックアウト。そのまま荷物を持って、ビュッフェの朝食。バスは6時半ということでしたが、お客が多く、やや遅れて出発。第1ターミナルでほとんどの客が降ろされてしまい、ちょっと不安になるが、無事第2ターミナルまで連れていってくれました。日本各地行きの便はまとめて1カ所のチェックインカウンターで受け付けていましたが、9時発の東京行きは時間的余裕があり、オークランドから東京まで通しで預けてある荷物もどこかに電話して確認してくれたりと、なかなか親切です。

いよいよあと数時間で日本です。